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『桜蘭高校ホスト部』が大好きな管理人の、二次創作サイトです。

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聖夜の願い事 -3-

クリスマス特別企画短編
聖夜の願い事 -3- (鏡夜&ハルヒ)

パリ現地時間、12月24日昼すぎ。


(この作品は、旧ブログでクリスマス企画として07/12/23~25に公開したものです)

* * *

ハルヒの様子が気になって仕方がない鏡夜は、
出来るだけ早く日本に帰るため、
当初、パリを24日13時に出発する便のチケットを予約していた。

しかし、昨日までは順調に進んでいた商談が、
一夜明けて再開してみれば、
提携先からロイヤリティの率にクレームがついて、
最終段階で契約書の補正をしなければならなくなり、
予想以上に決着まで手間取ることになってしまった。

「この時間だと……六時の便も間に合わない、か」

結局、両者が合意したときにはすっかり陽も落ちて、
暗い夜空にカラフルなノエルのライティングの光が浮かび上がる。
そんな賑やかな町並みを見つめながら、鏡夜は恨めしそうに呟いた。

「次の便となりますと、少々出発時間が遅くなりますが、
 シャルルドゴールを二十三時発の便がございます。
 そちらの席をお取りしますか? それとも明日の便になさいますか?」
「出来るだけ早く帰りたい。二十三時の便の予約を頼む」
「畏まりました」
 
橘にチケットの予約を任せて、車の後部座席に乗り込んだ鏡夜は、
帰国の予定が遅れることをハルヒに連絡しようとしたものの、
日本時間が深夜であることに気付いて、
携帯をぱたんと閉じて胸ポケットにしまった。

「……で、今のところ、集められた情報はこれだけか?」

代わりに、車に乗る前に、橘から手渡されていた紙の束をめくりながら、
鏡夜は小さく溜息をついた。

「はい。申し訳ありません。今後も調査は継続いたしますか?」
「ああ、頼む」
「畏まりました……ところで鏡夜様、搭乗まで時間がありますが、
 それまでいかがいたしましょう。
 お食事でもお召し上がりになりますか?」
 
携帯電話でチケットの手配を完了した橘が、鏡夜に伺いを立ててきた。
 
「そうだな……」

今すぐに連れてくることは無理かもしれないが、
もし近い将来、ハルヒをここに連れてくることができたら、
どこに案内してやろうか、
やはり食べることに(だけは)興味がある彼女だから、
三ツ星のレストランに連れて行ってやれば喜ぶだろうか、などと考えたところで、
あまりにビジネスの話が慌しかった所為で、
ハルヒへのクリスマスの土産をまだ買っていなかったことに鏡夜は気がついた。
 
「橘。食事の前にヴァンドーム広場に車を回してくれ」

* * *

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