『桜蘭高校ホスト部』が大好きな管理人の、二次創作サイトです。
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俺はお前に言った。傍にいてくれるだけで十分だと。
あいつのことを、忘れる必要なんてないからと。
お前は心の中に、あいつを失った痛みを抱えながらも、
たった一つの俺の望みを、お前は叶えてくれた。
あなたは私に言いました。傍にいてくれればそれだけでいいと。
あの人の思い出を、引きずっていても構わないからと。
あなたの心の中にある、私と同じ大きな痛みがわかったから、
だから、私は、あなたの手を取りました。
けれど、こんなにも一緒にいる時間は増えたのに、
お前が望むことなら全て叶えてやれるのに、
どうしてお前は俺に何も望まない?
ただ、傍にいて、俺を癒してくれるだけで。
けれど、あなたがどれほど私を愛してくれていても、
あなたに同じだけの愛情を返せない私は、
あなたに何を望むことができるでしょう?
ただ、あなたの傍にいる以上に、私には何もできないのに。
欲深いのは確かに罪な感情でも、
無欲でありすぎることは、ある意味、それよりもっと残酷だ。
あなただけを愛せないことは私の責任なのに、
そんな私が、あなたを独占するなんて許されることじゃない。
今、お前が俺の傍にいて、
この先、俺に望むものが何もないのだとすれば、
今、私はあなたの傍にいても、
この先、あなたに対して何かを望むなんてことはできない。
お前の望みも叶えてやれない俺が、
あなたを愛する資格もない私が、
- このまま共にいる意味はありますか? -
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