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『桜蘭高校ホスト部』が大好きな管理人の、二次創作サイトです。

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シャロンといっしょ ~オアシスの夜:前編~

DKミニシナリオ
シャロンといっしょ ~オアシスの夜:前編~

乙女ゲーム『デザートキングダム』のシャロン攻略ルートエンディングを元にしたミニシナリオ。
当ブログで公開中の~Good-Ending編~二次シナリオの続きになります。


オルタナ国王から(大変快く)長期休暇をもらったシャロンは、
姫(アスパシア)と共に、シャロンの両親が住む隣国ヴェルサーチェスへ向かっていた。

その、道中のオアシスにて。
  
シャロン
「姫。次のオアシスまでは若干距離がある。
 今日はこのオアシスで休もう。奥のテントを借り受けてきた」

ラクダから降ろした荷物の番をしていたアスパシアのもとに、
ラクダを預け、テントを借りるためにその場を離れていたシャロンが戻ってくる。

「キングダムを出てから結構経つね。セラが過労死してなきゃいいけど。
 ヴェルサーチェスまでは、まだ結構あるの?」
シャロン
「そうだな。あと三日、といったところか。長旅で疲れてはないか?」
「全然疲れてないよ? だって、私、キングダムに最初に来たときは、
 砂漠の真ん中からずっと歩いてきたし。
 それに比べたらラクダに乗ってる分、全然、平気だよ」
シャロン 
「砂漠の真ん中から……『歩いて』!?
「そうそう。『おらー、とっとと人間界に行ってこーい』って、
 父様にいきなり砂漠のど真ん中に突き落とされちゃってさー。
 そこからキングダムまで延々と歩いてきたの。
 確か二ヶ月くらい歩きっぱなしだったかな」
シャロン
「……『二ヶ月』!?

「うん、それくらいかかったと思う。ホント、大変だったんだよ? 
 砂漠って昼間は半端なく暑いし、夜はありえないくらい寒いし。
 途中でオアシスを発見して休憩してたら竜巻に巻き込まれるし。
 食いだめはしてきたから、水も食べ物もなくてもまあ平気だったんだけど……、
 って、あれ? シャロン変な顔してる。もしかして、信じてない?」
シャロン
「……いや、すまない。君が嘘を言ってないのは分かっているが、
 たとえ真実だとしても、信じがたいことというのはあるものでね」
「人類の感覚からすれば、そりゃそーよね。
 魔神の私でさえ、『これ絶対無理、もう死ぬかも!』って何度も思ったもん」
シャロン
「信じがたい話ではあるが……しかし、それで納得したよ。
 だから君は、スークで野宿をしても平気だったというわけだ」
「そうよ。砂漠に比べたら、キングダムの中は、
 昼と夜で、気温も砂漠みたいに激しく変わらないから、天国みたいなもんだし。
 キングダムの中だったら、別に屋根なんかなくたっていくらでも寝れちゃうな~」
シャロン
「……物理的に出来る出来ないの問題じゃない。
 あんなところに女性が一人で眠っていたら危険だろう
 君は本当に、どこまで考えなしなんだ?」
「でも、キングダムの治安はシャロンのおかげですごくいいじゃん?
 野宿の間でも、お水くれたり、毛布貸してくれたり、
 助けてくれる人、いっぱいいたよ?」
シャロン
「国内の治安維持には力を注いできているから、それは当然だろうが、
 ……しかし、いくら治安が良いといっても、
 目の行きとどかないところは、どうしても出てくる。
 とにかく、ああいうところで一人で寝るのは、二度と止めてくれ」
「えー。お金かからないからいいのに」
シャロン
「そういう問題じゃないと言っているだろう?
 ……大体、もう私の屋敷に住んでいるのだから、
 これからは野宿をする必要なんてないだろう」
「まあ、それはそうだけどさー。
 ほら、いつも温厚で優しい私だって、たまには
 シャロンと喧嘩するときもあるかもしれないじゃん?
 路上で寝泊まりしちゃだめなら、セラのとこいくしかないけど
 シャロンはそれでもいいの?」
シャロン
「~~~~姫!!」
「あはは。しないしない。そんなことしないって。
 シャロンってホント、心配性だよね(私の発言の突っ込みどころスルーだしさ)」
シャロン
「………それにしても、いくらEVUUの姫とはいえ、
 砂漠の道を一人でキングダムまで来るのは、さぞかし心細かったのではないか?」
「ん~、肉体的にはきつかったけど、でも、あの時はウンバラが居てくれたから。
 一人だったら確かに途中で挫折してたかもしんない」
シャロン
「……ああ、そうか。『ウンバラ殿』……か。
 確か、君の従者と言っていたな。私は姿を見かけたことは一度もないが、
 君の周りにずっといて、君を守っていたのだったな」
「うーん、守られてたかどうかはよく分かんないなー。
 なんか、いつもぎゃーぎゃーやかましく、私に絡んできてただけの精霊だし。
 あ、そうだ。テントに荷物運ばないとね」
シャロン
「……ふ」

足元の荷物を抱え上げようとしていた姫に向かって、
シャロンがぼそりと呟いた。
 
シャロン
「それを……『守られている』……と言うのだよ、姫」
「え? シャロン、今、何か言った?」
シャロン
「……いや、いい……さて、そっちの大きい荷物は私が持とう」
「ありがと。あ、そうだ、シャロン。
 砂漠で、身体がちょっと埃っぽくなっちゃったから、
 そこの泉で落としてきてもいい?」
シャロン
「ん? それでも構わないが、ここには鉱泉も湧いている。
 ちゃんと別に浴場が設けられているから、
 身体の汚れを落とすなら、そちらを使うといい」
「え!? あったかいお湯が出るの」
シャロン
「ああ。あそこに見える石造りの白い建物がそうだ。先に行ってくるといい。
 私はテントに行って、荷物の整理をしているよ」
「そう? ありがと! じゃあ、お先に!」
 
そう言って、ぱたぱたと、元気よく、
オアシスの公衆浴場の方へ走っていく、姫の後姿を見送りつつ、
シャロンは寂しそうに笑った。
 

シャロン
「そうだったな、姫。君の傍には、いつも誰かがいてくれたのだな。……私とは違って

 
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