『桜蘭高校ホスト部』が大好きな管理人の、二次創作サイトです。
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DKミニシナリオ
シャロンといっしょ ~シャロンルートGood-Ending編~
乙女ゲーム『デザートキングダム』のシャロン攻略ルートの、
グッドエンディング(おまけシナリオメニューが開放されない方のエンディング)直後のシナリオを、
勢いで創作してみました。(所要時間二時間くらいで……苦笑)
* * *
場所は、城塞都市キングダムのパレス。時刻は夕刻。
国王の執務室に、宰相シャロンがやってくる。
シャロン(宰相)
「国王陛下。この度は私の長期休暇願いを快くご了承いただき、
誠に有難く思っております」
オルタナ(国王)
「何言ってるんだい、シャロン。
君は王家の代わりに、ずっとこの国を守ってきてくれたんだ。これくらい当然だよ。
(シャロンがいない間に僕も羽根を伸ばせるし、姫とも心おきなく遊べるし)」
シャロン
「ん? 何か申されましたか?」
オルタナ
「いやいやいや。なんでもないよ。で、休暇は明日からだよね。
どこに行く予定なんだい?」
シャロン
「久しぶりにヴェルサーチェスにいる両親の元に、
行ってこようかと思っています……姫と一緒に」
オルタナ
「うんうん。親孝行は良いことだよね……って、
え!? 姫と一緒に? そんなの僕、聞いてないよ!!」
シャロン
「陛下が、度々、姫に政務のことをご相談なさっているのは存じておりますが、
異国からいらっしゃった姫は、
私と違って、この国の公僕というわけではありません。
ですから、休暇願などは不要と思いますが、何か問題が?」
オルタナ
「も、問題って……いや、シャロンも姫もパレスからいなくなったら、
僕の話相手がいなくなって、ちょっと寂しいな~って思っただけで、
全く他意はないよ!」
シャロン
「……そうですか。実は、陛下がそうおっしゃるのではないか、と思いまして、
私と姫がいない間、陛下が一人で退屈なされぬよう、
私から『ささやかな贈り物』を用意いたしましたので、お納めください。
……ロイヤルガード。『例の物』をこちらへ」
シャロンが軽やかに命じると、
部屋の入口に控えていたロイヤルガードが三名ほど、
執務室に入ってきて、王の机の上にその『物』をどさりと置いていく。
オルタナ
「贈り物って……う、うわぁ。な、なんだよこれ!」
シャロン
「見ての通り、王家不在の折りに、
私と、私の父が代理で処理してきた政務関係の資料です。
私の休暇の間に読み切るには、少々、物足りない量かもしれませんが」
オルタナ
「も、物足りないって!! 約一メートルほどの書類の山が、
五つも机の上に積まれてるのに、これのどこが物足りない量なのさっ!」
シャロン
「これでも全資料のうちの十分の一にも至りませんが」
オルタナ
「そ、そんなにあるの?」
シャロン
「なにせ十数年分、ですからね。
今後、国政を執られるにあたり重要なものを特に厳選しておきましたので、
私の休暇中に全て目を通しておいていただければと思います」
机の上に積まれた書類の山を、
じとーっと恨めしそうに見つめつつ、
溜息をつくオルタナ国王。
オルタナ
「あ、あのさあシャロン。一つ聞いてもいいかな?」
シャロン
「なんでしょう?」
オルタナ
「もしも、これ、読み切れなかったら……?」
シャロン
「これはこれは、聡明かつ勇猛な陛下のお言葉とも思えませんが」
オルタナ
「や、これはけっして弱音なんかじゃないよ!
ただ、 僕は、人の上に立つものとして、
最悪の結果も含めて、あらゆる可能性を、
常に検討しておくことが大切だと思っているだけなんだ。
例えば、突発的な事情で、資料に専念できない場合とかあるかもしれないしさ」
シャロン
「それほど大変な量とは思いませんが……、
もしも読み切れないような状況になった場合、
それは一重に、陛下の集中力を妨げるような、
政務環境をおつくりしてしまった、私はじめ臣下の責任です。
私が休暇から帰ってきたあかつきには、
その『事情』とやらを厳密に精査して、
二度と陛下の気が散ることのないよう、『万全の体制』を取らせていただきます」
腕組みをして、にっこりと笑うシャロン。
オルタナ
「ば、『万全の体制』って?」
シャロン
「例えば、現在、陛下の周囲には付き人の他、
護衛のため、密かにロイヤルガードを数名、常時配置しているわけですが……」
オルタナ
「え!? そ、そうだったの?
(だから、シャロンの奴は僕が付き人を巻いて王宮から抜け出しても、
いつも僕がどこにいるか分かるのかっ!)」
シャロン
「これを……そうですね。手始めに三十名ほどに増員することといたしましょう。
さすればきっと、政務中に『どこぞの部屋』に出かけるようなこともなくなり、
陛下も今まで以上に執務に専念できることでしょう」
オルタナ
「さ、三十名!? っていうか、姫の部屋に行って愚痴ってたことがバレてる……?」
シャロン
「おや、まだ警備体制にご不満がおありですか?
ならば、現在は、陛下が『行方不明』になられた折に、
捜索を依頼しているアサシン達を、
ラクロア殿に依頼して『恒常的』に陛下のお側に付けるようにいたしますが」
オルタナ
「それって警備体制じゃなくて、単なる僕の監禁体制の間違いじゃ……」
シャロン
「ま、陛下が私の休暇中に、
そこの資料の内容を『全て完璧に』把握してくだされば、
『当面』警備は現状通りといたしましょう」
オルタナ
「……(僕が何か失態をすれば、すぐにでも増員するつもりだな……鬼シャロンめ)」
シャロン
「それでは、私は旅の準備がありますので、
本日はこれにて、自邸に下がらせていただきます」
オルタナ
「う、うん、分かった。ご両親に……特に前宰相シュクリームには、
前国王のことで色々迷惑をかけてすまなかった、感謝している……と伝えてくれ」
シャロン
「有り難きお言葉。父もきっと喜びましょう。では、失礼いたします」
オルタナ
「うん。道中気をつけていくんだよ。
(はあ、やっとこうるさいシャロンから解放される。
姫が明日からシャロンと一緒に旅に出てしまうのは予想外だったけど、
幸い、旅の準備で、今日はパレスにシャロンは残らない。
なら、今夜は思う存分、姫に甘えておこうかな……)」
国王陛下に一礼をし、
執務室の扉のほうへ歩いていたシャロンが、
部屋の外に出る直前、ぴたりと足を止めて振り返る。
シャロン
「ああ、陛下、一つ言い忘れておりました」
オルタナ
「な、なんだい? まだ何かあるの?」
シャロン
「本日から姫は、パレスから私の自邸に住まいを移されることになりましたので、ご報告を」
オルタナ
「な……。ななな、なんだってーーーー!
シャロン、それどーいうこと! なんでいきなりそうなるの!
僕は国王だよ? 国王が姫のパレス滞在を許可しているのに、
なんで今更、シャロンの家に姫が行く必要があるのさ」
シャロン
「私が決めたわけではありません。姫の意思です」
余裕たっぷりににこりと笑うシャロンに対して、
オルタナは歯ぎしりをして悔しがる。
オルタナ
「く……(この、むっつりスケベ野郎が!)」
シャロン
「……やはり、休暇明けではなく、
今すぐにでもロイヤルガードを増員するべきでしょうか?」
オルタナ
「や、そ、そ、そんな心配はいらないよ、あは、あははははは。
(……くそう、シャロンの野郎。覚えてろよ!)」
了
* * *
ゲームをプレイしたことがない方ですと、
よくわからない会話になっているかと思います。
スミマセン。クリア後の勢いだけで仕上げました(苦笑)。
とはいえ、半月の休みで隣国ヴェルサーチェスまで行って帰ってこれるとは思えないので、
やや、設定を無視した感も……。
国王陛下がかなりフランクな人柄なのに対し、
とにかくシャロン宰相は、真面目で仕事人間で真っ黒爽やかさんであります!
(どっかの誰かと似てるなあ……)
恋愛ゲームですから、各攻略対象キャラの個別ルートに入ってしまえば、
その相手とラブラブ~★になるしかないわけですが、
シャロンルート含め、いくつかのルートでは、
陛下とシャロンとの間で、姫をめぐる三角関係的視点がちらほら入るので、
そこが見てて、管理人的にツボったところです。
機会と時間があれば、また続きを書きたいところです。