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『桜蘭高校ホスト部』が大好きな管理人の、二次創作サイトです。

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恋人達の休日 -3-

魔王様誕生日企画短編
恋人達の休日 -3- (ハルヒ&鏡夜)

誕生日に自分の部屋を訪れてくれた彼を一人残して、部屋を飛び出したハルヒ。
ハルヒが急いで出かけた場所は……。


* * *

誕生日に主役の彼を一人家に放置して、
その頃、ハルヒが何処にいたかというと……。

彼が予想していたように、仕事であちこち奔走していたわけではなく、
なんと、ハルヒは、実家のアパートに帰ってきていた。

「困ったなあ……なんでお父さん、こんなときにいないんだろう」

全く解決のめどが立たず途方にくれたハルヒは、
とりあえず作業を中断して、ぺたりと居間のコタツに座り込んだ。
そこで、ハルヒはようやくコタツの上に放置してあった携帯電話の着信に気がついた。

画面を開くと、彼からの着信が何度かあったようだ。

「さすがに連絡しないと、鏡夜先輩、不審に思うよね……」

あまり今していることを、正直に話したくなかったので、
どう言い訳しようかと、考えあぐねているところに、
携帯電話が再び、着信を知らせて、ぴかぴかと光った。

彼からだろうかと、びくびくと画面の表示を見る。

「はい」
『あ、ハルヒ? 俺だけど、今、平気?』
「……ああ……えっと」
オレオレ詐欺? とか言ってボケるなよ? 念のため』
「あはは」

液晶の画面に表示されている氏名で、
誰からの着信かは分かっていたので、
ハルヒは、彼からの電話ではなかったことに安心して、
その相手の言葉に軽やかに笑った。

「光。久しぶりだね、急にどうしたの?」
『どうしたのって……まあなんていうか……、
 色々気になった……ていうか、ちょっと邪魔したくなった……ていうか』
「え、邪魔?
『うん。だって今日鏡夜先輩の誕生日じゃん? どーせ、一緒にいるんでしょ?』

光の、ものすごく嫌そうな声を聞いて、
ハルヒは苦笑いを浮かべてしまった。

「ううん、今、私、実家にいるよ」
『え? なんで? 誕生日なのに鏡夜先輩まだ仕事なの?
 あ~、それとも、いよいよ喧嘩とか?

何故か、語尾が嬉しそうに聞こえる。

「いや、そういうわけじゃないんだけど。鏡夜先輩、今、私の部屋にいるし」
『ああ、そうなんだ……』

ざっくりハルヒが否定すると光の声が小さくなる。

「なんでそんなにがっかりするの?」
『そりゃ……って、俺のことより、ハルヒ、先輩一人で家に残して何してるんだよ。
 そもそも、なんで実家に帰ってるのさ。蘭花パパに何かあったの?』
「いや、そうじゃなくて、実はちょっと困ったことがあって」
『困ったこと?』
「うん……」
『……』

高校の時なら、こんな思わせぶりな発言をしてしまったら最後、
すぐに『何? 何?』と、好奇心一杯に、
こちらを質問攻めにしてきたはずだが、光は、うーんと唸った後、


『それって俺に話せること? 俺でよかったら聞くけど?』


と、予想外に落ち着いた様子で、ハルヒのことを気遣ってきたから、
ハルヒは光のあまりに冷静な対応に逆に驚いてしまった。

「光、一体どうしたの? 具合でも悪いの?
『なんだよ、その発言』
「だって、なんか妙に大人な対応するから」
『もう、俺は十分大人だよ!!』
「そう?」
『お前なあ……』

光はハルヒの様子にかなりがっくりきたようで、
はあっと大きく息を吐き出す音が聞こえた。

『まあ、でも……今日電話してる時点でアウトかも……しれないけど』
「え? 何?」

光の声が更に小さく、口の中に篭ったような感じになってしまったので、
何のことだろうとハルヒが口を挟むと、
光は『だから、俺のことはいいんだよ!』と、語気を強めた。

『で、その困ったことってやつ、大丈夫なの?』
「あーうん。そうだね、光になら話してもいいかな。
 ……ていうか、困ったことっていっても、
 そんなに大袈裟なことでもないんけど……実はね」

* * *

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