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『桜蘭高校ホスト部』が大好きな管理人の、二次創作サイトです。

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春の光に風馨る -1-

春の光に風馨る -1- (馨&光)

ハルヒの父親から急に電話がかかってきて、鏡夜のオフィスの場所を尋ねられた馨は、
めったにないことに驚いて、一体何があったのだろうと心配していたのだが……。


* * *

僕(馨ね)は、花束を持って病室に向かっていた。

「馨? 顔色が悪いけど、大丈夫か?」

綺麗にラッピングされた果物の詰め合わせを持って、
隣を歩くのは、僕とそっくりの顔をした双子の兄、光だ。

「まだハルヒのパパさんとの電話のこと、気にしてるのか?
 確かに鏡夜先輩には黙ってたけど、
 だからって、別に事故が馨の所為ってわけじゃないだろ?」
「それはそうだけど……でも、ちょっとね」

鏡夜先輩が交通事故に遭ったという連絡は、
その日の夜には、橘さんから僕の所に、正確にいうと常陸院邸に届いていた。

三日前の土曜日。

ハルヒのパパさん、蘭花さんから、
何故か僕のところに電話がかかってきて、
僕は否応無しに鏡夜先輩のオフィスの場所を教えることになってしまった。

蘭花さんがわざわざ僕に鏡夜先輩のことを聞いてくるなんて、
余りに不自然だったから、
鏡夜先輩とハルヒの間に何かあったんじゃないかって、
ずっと気にしていたんだけれど。

翌日の日曜日。

光に相談したあと、ハニー先輩やモリ先輩にも電話をかけたけれど、
二人から返って来た答えは、
鏡夜先輩とハルヒに何かあったとしても、
本人達の問題だから、今はそっとしておいたほうがいい、というものだった。

だから、僕は鏡夜先輩に、
蘭花さんから電話があったことを、結局伝えずにいた。

そして、月曜日。

その日、僕と光は別々の場所で仕事をしていて、
光は母親の来春コレクションの打ち合わせ、
僕は祖母の華道関連のイベントに出席していた。

常陸院家の公式行事だった分、時間がかかって抜け出せなかった僕が、
ようやく家に帰り着くと、先に帰ってきていた光の大声が階上から聞こえてきた。

「馨! 大変だよ!」
「どうしたの? 光」

僕が玄関に入ると同時に、光が階段を駆け下りてきた。

その光の顔を見ただけで、
何かとても悪いことが起きたんだと、僕には分かった。

僕が記憶している限り、
光がこんなにも血相を変えているところなんて。


一年と少し前の、あの悪夢のような春の日以来だったから。


* * *

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