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『桜蘭高校ホスト部』が大好きな管理人の、二次創作サイトです。

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記憶の結び目 -prologue-

記憶の結び目 -prologue-

リハビリ作品なので、全くの無計画(苦笑)&短めの予定です。
* * *

ここ数年間、 
ずっと、自分を駆り立てているのは、
探さなければいけないという、
一種の「責任感」かと思っていたが、
よくよく考えなおしてみれば、
正確には、「強迫観念」といったほうが正しい気もする。
 
どこからやってくるものか分からない。
なのに、逆らうことができない。

正体不明の黒々とした感覚に追い立てられて、
ただ、ひたすらに自分は探し続けた。
来る日も、来る日も。
 
けれども、そうやって探し続けているうちに、
分からなくなってきた。

自分は一体「何を」探しているのだろう?

自分は一体「何故」探しているのだろう?

自分の動きを制御する、
そんな根本的なことさえ、分からなくなってしまった。
 
それなのに、「探すのを止める」と言う選択肢だけは、
いつまでたっても選ぶことができなくて、
自らの不毛な行動に嘆息しつつ、
来る日も来る日も、探すことを続けてしまうのだ。
 
あれから、もう何年たっただろう。
いい加減、そろそろ潮時ではないだろうか。
 
毎日のように、どこか、客観的な立場で、
今の自分を、高みから見下ろして自ら嘲り笑う。
 
幕を引くのは、至極簡単なことだ。

もう探さなくていいのだと、
一言、「自分が命ずれば」それで終わる話。
 
しかし、それは同時に、至極困難なことでもある。

もう探さなくていいのだと、
「自分から言い出さない限り」は、
いつまでたっても終わりはこないから。
 
責任感だろうが、強迫観念だろうが、
きっかけや原動力はなんであっても、
それが自分の意思の一つの形である以上、
終局の言葉を言い出せない自分の、
この生産性のない行為は続いていく。

何故、終わらせることができないのか。
その理由は、はっきりしている。

自分は、とても大事なことを……、   
おそらくは、それこそが、
今の自分を取り巻く全ての混沌の答えになるであろうことを、
「忘れて」しまっているからだ。

それが何か思い出さないうちは、
なんだか何もかもを、
ただ中途半端に投げ出すだけに思えて、
止まることができないのだ。
 
探しているのは、
一体、「何」だったのか。
 
探しているのは、
一体、「何のため」だったのか。
 
探しているのは、
一体、「誰の」ためだったのか。
 
それらの全ての答えを導くキーワードを、
思い出すために、自らの記憶の糸を辿る。

答えは自分の頭の中の、  
過去の残像に求めるしか手立てはない。

現在も未来も、
もう決して、上書きされることが無いのだから。 

自分が思い出さなければいけないことは、
今、探そうとしていることとリンクしている気がする。
確証のないことを断定するのは嫌だから、
あくまで「そのような感じがする」といった、
曖昧な表現しかできないけれど。

しかし、妙なことになっている。
自分は、そもそも、
こんな曖昧な発言をするような人間ではなかったはずなのに。
 
探さなければいけないのは、
例えるなら、至極、繊細な白い糸の上、  
目を凝らさなければ見つけられないほど、  
いや、もしかすると、  
指先で慎重に触れてみなければわからないほどの、違和感。


 
小さな小さな「結び目」。



はたして、どこまで手繰れば見つかるだろう。

一体、どこまで。

* * *

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